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当てて当たらず〜まほろば通信56

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どうしても欲しくて、あらゆる手段を講じて、とても苦労して手に入れたのに、それだけで満足して結局ぜんぜん使ってない、読んでない、開けてもいない、みたいなモノありませんか?わたしはありますよ。

入手しただけで満足してしまい、もう何年もただ並べてあっただけの稀覯本を開いて、昨日から地味地味と読み始めました。古くて装丁が痛んでいるので、不用意に開くとバラバラとページがこぼれてきます。

名人の話芸の世界、ちょっとだけ一緒に覗いてみませんか?

とっても高名な占い者で、まだ現存ですから、名前の点は伏せますが、運命術の真骨頂は『当てずはずさず』にある、と話してくれました。当たりすぎてもうまくない、なぜなら、この調子で凶い予言が当たったらたまらない、そうかといって、はずしては全くだめで、当ててるような、はずれないような、生ぬるい湯に入れておくようにして、喜ばすこと、これができたら、占い者として繁盛する。だが、当てすぎたらだめですよ、と念を押すようにきかされたものです。

わー。わー。わー。みもふたもない!そしてリアルすぎる!(わかりみが!ある!)
ちなみにこれは「運命術」つまり、生年月日を使って占う占術についての話です。

もし対面鑑定としてはあまりピンと来なくても、不特定多数に向けて「ふわっと」書かれてバズるような「ほしうらない」の話だったら、これそのまんまあてはまるんじゃないでしょうか?

この「占いが当たる」問題、みなさまはどうおもわれますか?
占われる側としての意見、お金をいただいて占う側の意見、それぞれあるはずです。
これはぜひどこかでみなさまにもこっそりご意見伺ってみたいポイントです。
そう。こっそりね。

名人のお話はまだ続きます。

わたくしは神経質で、短期で、几帳面ですから、これがどうしても守れないで、若いうちは真にになりすぎ、老婆心が働きすぎて、客からは大歓迎されることがなく、だからこそ、易で相場の判断術を編み出して、そっちへ走りました。これはピシャッと当たらなければいけないので、とても楽しくやっています。

なるほど。真面目で正確性や再現性を求めるタイプのみなさまから「占いは当ててこそ!」という主張があるのは当然です。そのような流儀で実践なさっているストイックな先生方をわたしは尊敬します。そうなると、より具体的な判断ができたり、YES/NOがはっきり出る占術が選ばれることでしょう。

そして、名人のお話はまだまだ続きます。

ところが、つい先日のこと、当てて当たらずという、実に含みのある言い方を聞いて、思わず、これあるかな、と膝を叩く思いをしました。推命術の約束通りに判断しても、当たらないところが出てきますが、こんな調法な言葉のあることを早くから知っていれば、なにもむきになって苦しむこともなく、もっと推命術を楽しんだと思います。そこで読者は、この点を十分に心得た上で、推命術と遊んでください。

確かに。確かに。なるほどーーー。(わかりみがふかい)

これ以上は引用しませんけど、この名人がどうやってお客さんと接しているかという話がこのあとでてきます。「うおー。そうそう!それだ!わたしこれやってるわ!このままいくわ!」とめちゃコーフンしました。名人ありがとうございます。

そもそもどんなに真面目に勉強してセオリーを山のように暗記したとしても、命術で誰かを読ませてもらうときに、暗記した知識がそのまま通用するわけではないです。例えば「生年月日が同じでも、ぜんぜん違う人生」にお目にかかる機会はときどきありますし、さんざん読みまくってお客様からも「当たってる!」とか言われたあとに「実は…あの誕生日のデータはそもそも間違っていた」なんてことだってあります。「理論通りに間違えなく正確に」とはいかないのが占いあるあるだとおもうのです。

たぶん、真面目な人はここで心が揺れて、不安になるのでしょう?

わたしは命術好きですけど、命術ばっかりやってるとちょっと息苦しい感じにはなります。だって、占いですよ。占いですからねー。水モノですからねー。あまり堅苦しく道徳やら主義主張を語りたくないし、占いがそんなに百発百中で正確であるはずがないです。

卜術だけしかしない人が、なんとなくよるべなくふわふわするみたいな話をされてるときに「命術もやってみたら?」とおすすめすることはあります。データを元に読むから、卜術より再現性が高くて、自分のコンディションに左右されにくいとおもうんですね。

逆に「わたしは命術だけです。きりっ」という方に「卜術も少しはなさったら?」とお勧めすることはあります。あります。あります。卜術のラフな偶然性、なんかわけわかんないけどなんか当たる、的な要素は、やっぱり「THE 占い」らしさではないでしょうか。

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