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乙らしさ、乙の美しさ〜まほろば通信47

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太古の昔に聞いた話ですけど「コンパニオンとかスチュワーデスの美しさは、ずらっとラインナップしたとき映えるのがだいじ」みたいなことを、いわゆるギョーカイ人みたいな方がおっしゃってたのをよく覚えています。(うむ。時代がわかるじゃろ。まだ”フライトアテンダント”じゃないんだよ。憧れの花形職業”スチュワーデス”なんだよ)

そこには「個性的」と呼ばれるような、例えば刈り上げ黒装束の「夜霧のハウスマヌカン」みたいな人はお呼びじゃない。老若男女の誰が見ても「わあ!綺麗ね」って言いたくなるような85点、偏差値60以上みたいな、整ったスタイルとお顔立ちのお姉さんたちが、コンサバティブな装いでにこやかに並ぶ、ってことか。すごい世界だー。

それを聞いたのは、学生時代のバイト先だったかな。そこでわたしは、そういう「美」が競い合う世界にはぜんぜんご縁がないし、自分どうやって生きていったらいいか考えなきゃだなーと、ぼんやりしていました。そのままぼんやりしているうちに病みました。なかなか治らなくて、就職活動とかマジ無理だよ、って海外に逃げたりしてました。

さらに当時は「女子アナブーム」のハシリみたいな時代でした。美しいのはもちん重要だったけど、そもそも美しいのは当然で、さらに賢さとか愛嬌とか胆力とか実家の太さとか、いろんなパラメーターが求められていました。たいへんなんだなー。たいへんなんだよー。同級生はたくさんそういう戦場に行ったよ。散ったり咲いたりいろいろだ。

なーんてことを一瞬で思い出したのは、お花を綺麗に寄せ植えにしてもらったからです。え?寄せ植え見てそんなこと考えるの?と思います?そんなことないでしょ。ニンゲンの記憶なんて、連想が連想を呼ぶように、芋づるみたいにずるずるずるーーーっと繋がっていて、ふだんは意識しない深い層や、たまに得体の知れない地底に繋がっています。

私の脳内ではこう変換されているのです。

乙の美しさは、大勢でラインナップしたときに最も発揮される。
って。

乙は花。そのまんまでしょう?

寄せ植えすると、可愛いお花がお互いに引き立て合います。もちろん単体でじゅうぶん美しく可憐な子たちだけれど、いろんな色や個性の子達が集まったほうが、より人目をひきつけるでしょう?その組み合わせを考えるのも楽しいですよ。って、この発想はたぶんもうアイドルグループを編成するプロデューサー(だいたいおっさん)の世界観ですよね。

乙の人たちは、それぞれみんなチャーミングです。乙の処世術としては「みなさんのおかげです」ってニコニコしながらセンターをめざすのが王道だと思うけど、それは嫌で「軽々しく可愛いって言われたくない」ってカッコいい方面に頑張ってる人とか、「ひとりでできるもん」って有能さをソロで発揮しようとしてる人もたくさんお見受けします。へー。

みんなないものねだりなんだなー。(たまき)

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