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場所の記憶〜ウラナイ8号室ができるまで(1)

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2022年3月1日撮影

いつまでも変わらないものなんて、どこにもない。

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。

淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。
世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。

方丈記

「場所」はだいじ。どんなに「オンライン」「リモート」「バーチャル」が全盛の世の中になろうとも、ニンゲンに肉体があり、呼吸して飲食して、空間を占める存在である以上、やっぱり「場所」の力はだいじ。

2022年3月1日撮影

 むかしむかし、中野ブロードウェイの4F北側に向かう通路の奥の方に「中野トナカイ」という占いのお店がありました。その後、南阿佐ヶ谷に引っ越して「ウラナイトナカイ」として2019年7月まで営業していました。

中野駅の南口を出てそのまままっすぐ、いつも混み合っている中野サンモール商店街の人混みをまっすぐに抜けて、中野ブロードウェイに突入して、息を切らしながら階段をのぼって4階へ向かう。(エレベーターはつかったことなかった)

中野ブロードウェイのビルそのものは、昭和から時の流れが止まったような不思議な空間です。オタクの殿堂で「大昔の六本木ヒルズみたいな?歴史的建造物?」で、個性的で不思議なお店がたくさんありました。

でも「中野トナカイ」はぜんぜん神秘っぽくないし、いわゆる「お店」というよりは、限りなく「事務所」でした。お店が開店したのは確か2008年の秋。わたしはそこに占いを学ぶ生徒として熱心に通っていました。

あったあった。店長のまついなつき先生(故人)に、お店の開店日時を尋ねた時の記録が出てきました。

ものごとのスタート日時から占いができる人にとっては、貴重なデータでしょう

いろんな人が出入りして、いろんな人が通過して、いろんな人が集った場所は、時の流れや人々の変化と共に消えてしまったとしても、その記憶はいろんな形でいろんな人の中に、断片的に残っていきます。

つづく。

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